中国から国境を越えてロシアに行きたいという酔狂な人は、あまりいないかもしれない。
だが、俺氏はそういう人を応援したい。
なぜなら、沢木耕太郎著・深夜特急の世界ををこよなく愛すからだ。
だから、おっさんでもおばさんでも、サラリーマンでも公務員でも、冒険する人は好ましく思う。
今回は、中国の綏芬河(すいふんが)からバスでロシアに入り、グロデコボという国境の街にたどり着くルートについて解説したい。
ウラジオストクまで行くなら、ハルピンからの夜行列車で朝イチに綏芬河に入るのがいいのではないか。国境越えは行列するし、チェックに時間がかかる。
列車の駅から、ウスリー大街にある綏芬河国際バスターミナルまではけっこう離れている。タクシーを捕まえるのがいいと思う。
中国語に不安があるなら、タクシードライバーに
乌苏里大街 国际客运站
とでも書いて見せればいい。
このあたりはメーターも上げないし、相乗りをさせるので、まっすぐ行かない可能性も高い。
ボッタクリはそんなにないと思うが、タクシーの値段だけは決めておこう。15〜20元程度ではないだろうか。
引きの写真がないが、これが国際バスターミナル。ウスリー大街というストリート上にある。
ここが曲者だ。
綏芬河からウラジオストク直通バスもあるが、13時20分発だという。それだと、ウラジオストク着は相当遅くなるはずだ。
だから、ロシアに入ってすぐのグロデコボという街を目指すべし。そこまでならバンバン出ている。
習近平とプーチンが握手する写真が国際バスターミナルに飾られている。合成じゃないだろうな(笑)
バスターミナル内に、ヤミ両替商とSIMカード屋がいる。両替商はルーブルに換えてくれるが、人民元だけでなく、米ドルや、ややレートが下がるが日本円でも換えてくれた。万一のために、ここでルーブルは少し持っておいたほうがいいと思う。
ここ、気をつけてくれ!
バス乗車前には、荷物の検量がある。ここには、大量の段ボールを持って帰ろうとするロシア人が並んでいるはずだ。彼らは荷物を積むために遅めの切符を持っているが、これに続いて黙って並んでいると、自分の指定されたバスに乗り遅れてしまうのだ。
だから、荷物の少ない旅行者であり、指定時間のバスに間に合わないことを係員にアピールして、グイグイと列を抜かしていこう。ここ、大事。
日本のように黙っていても、まだの方どうぞ、などと言ってくれないからな。
ここで指定時間のバスに乗り遅れて、また切符を買わされた人の話を聞いた。グロデコボ(漢字表記 格城)までのバス代は180元。安くはないぞ!
それは俺氏のことだ。笑えない。
まずバスで中国側のパスポートコントロール。さらに同じバスに戻り、本当の境界線を通る。ここから急にパツキンの女性兵士なども拝めるようになり、ロシアに入ったことを実感するはずだ。
ボーダー付近ではバスやトラックが大量に待たされて列をなしている。俺氏のバスも1時間くらい止まった。
そして、掘っ建て小屋のようなロシア側パスポートコントロールへ。ここでは、用紙に記入が必要だが、置いてないので係員に頼まなくてはならん。不親切だが仕方ない。
どうやら中国人は用紙やビザもいらないみたいだ。うらやましい。だけでなく! 乗ってきたバスに置いていかれないようにしなくてはならない。俺氏は置いて行かれた。
後続便のドライバーが拾ってくれて助かったが、油断も隙もない。
ロシア人と中国人以外は時間がかかるので、待っとけ! とドライバーに言っといたほうがよかった。
ちなみに、入国審査では名前を読み上げられたので「ダー!(はい)」と元気よく答えることと、英語でどこ行くのか聞かれたから「ウラジオストク!」と日本語発音で言ったが、理解してもらえたぞ。
中国ナンバーのバスはロシアでも走れるらしく、そのままグロデコボのバスターミナルへ!
ここでは、SIMカードも買えるし、ATMもあるので国際キャッシングもできたぞ。
中国との時差は2時間。中国が正午ならウラジオストク時間は午後2時。日本時間を飛び越えて、さらに遅くなるわけだ。
このあたりは中国人だらけだな!
有料トイレは5ルーブルか2人民元。まだ元が使える。
中露国境越え、達成感はメチャある(笑)
やってみてくれ、物好きたちよ。
よくイスタンブールがそれと言われるが、東洋と西洋の境目は、ここにもあった。
コメント
綏芬河からウラジオストクまで行く際の参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
今は電車駅の横の建物でバスチケット購入と乗車が可能になっていました。
片言の英語しかできないのできつかったですが有意義な体験になりました。